ファンて言えば最近は出待ちしている男の子とかもいますよね。

出待ちは結構自分を作っちゃうからさ。出待ちに関してはホント表面しか出さないし、当たり障りないような態度になってしまう。

逆にすごいギャップに・・・Jimmyさんてすごくいつも冗談とかギャグとか言うし、最近MCとか結構すごいじゃないですか。でも出てくるときは、ビシっとしてて。

いろんな人にライヴでは「しゃべるな」とか言われるんだけどね。自分でもしゃべんないほうが良いとも思うけど・・・。

でも昔、マグナムのときはまあ別として、例えばspAedとか Phiの時っていうのはすごくクールなように見えたんですけど。

いや、それはバンドがそうだったからだよ。誰と組むっていうことで変わっちゃうよ、それは。今は逆にそういう空気になっちゃってるんだね(笑)連鎖反応かな・・・だから例えば、ヴォーカリストが違うだけでも内容変わってくるからね。うまく言えないけど・・・。

でもすごくそのギャップが面白かったりしますけど。楽しいMCが あって、カッコイイ曲があって。

なんか楽しませるためにあまりしゃべりたくないなっていうのはあるね。で、やっぱりさ、場所が狭いから、そういう雰囲気になっちゃう。

会場でファンの子が「しゃべってー!」とか言ってるじゃないですか。

だって見る側はさ、いろんなところが見たいでしょうよ、やっぱり。

そりゃあそうですね。

でも、そういうサービスじゃなくて、俺は音楽聴かせるためにやってるわけだから。

(笑)これはKen-ichiにも聞いたんですけど、Ken- ichiが加入してアルバムが完成しました。Ken-ichiが加入してからリハーサルからも含めたらもう2年ぐらい経ってますよね。振り返ってどうですか?Ken-ichiが入って新生ベルベット・スパイダーがスタートしました、これからの展望も含めて。

う〜ん・・・

Ken-ichiの第一印象ってどうだったんですか?

親しい人から薦められたんだけど「元バレンタインDCのヴォーカリスト、彼が非常に俺に合うと思う」と。で、そんなに俺と合う奴ってっていうところで、資料集めなきゃと思って事務所に頼んで、ビジュアル面であるとか、音とかっていうところでイロイロ資料を集めようということに。で、集めたKen-ichiがやってた前のバンドやバレンタイン時代の音源とかチェック した。でまあ、関西出身・和歌山出身だから文化としては俺とすごい近いわけだし(笑)、バハマで昔やってたとか、まあそんな共通点というか近しいことがいろいろあって。初めて会ったときはリハーサルスタジオに来てもらったんだけど、その時ちょうどKyoちゃんゲストでライブやるっていう、そのリハだったの かな?・・・KyoちゃんとKen-ichiは軽く知り合いだったから。で、その日に彼といっしょに飲んだ。まあ率直に言うと、あれぐらい優れたヴォーカ リストがまだいるのかと。

最初っからKen-ichiだったらどうだったんでしょうね?

え?ベルベットが?あーそれはまぁ、それを言っちゃうと、もしもこうだったらてことはありえないからさ。

Ken-ichiのヴォーカルのスタイルは、今までJimmyさ んがやってきたどの人とも違うタイプですよね?

なんか今までやってきた人、全部違うんだけど。バラバラで。

だから誰とも似ていないですね。Ken-ichiだけみると新しいタイプですよね?

あ、誰かに似てることはないよね。うん。

AOI君と比べると彼は声が高かかったじゃないですか。

そうだね。あと人柄も正反対だね。誰かと誰かが似てるっていうのはないし。だから結局俺は、なんだろうな・・・「こういうスタイルのこういうヴォーカリストがいい」って思うんだったら自分でやりゃあ良いじゃん、と かっていうのはあるね。たとえブーイングあっても。そうじゃなくてさ、やっぱりめぐりあいだから。

ちょうど運良くめぐりあえたんですよね。

うーん、運がいいかどうかまだ分かんないけど、良いヴォーカ リストだと思うよホント。とりあえずクチ悪いけど性格はイイ。時間は一年半経っちゃっているけど、これからもっと良いことができると思うね、ヴォーカ リストとギタリストという意味で。 なんかうまく事が、ちょうど俺たちのやりやすい、ジャストなところに物事が行っちゃうとホントにいいことができる気がする。今までバンド組んできたメ ンバーとか、仕事仲間だとか・・・やっぱり何か達成できちゃうと、ホントの意味で友達になれるっていうか。さっきの話だけど、達成するにはやっぱり修羅場もあったりするわけよね。だから、なんかひとつ達成できると更に良い関係になれると思う。

これからの展望っていう部分では、そういういい方向にいく可能性があると?

戦略っていう意味ではないね。人間関係の展望としては良い結果を出していきたいなっていう。やっぱりね自分の周りの人間、付き合いのある人間関係っていうのは、いい意味であっても悪い意味であっても自分の才能レベルでもあると思うね。

類は友を呼ぶ?

いや、友でもないんだなぁ・・・自分の出せるテクニックとかセンスとか、能力のひとつに周りの人の存在もある。人間関係を大事にしたいとかじゃなくて、 やっぱりメンバーに対しても自分と同じようにプライドがあるというか、なんかそういうのが強い。友達に対してもね。

もっと簡単な、分かりやすい意味で、例えば、次の作品はいつまで に作りたいとか、ライブをこういうふうに展開していきたいとか、そういうようなもっと分かりやすい展望を・・・ライブに関しては都内ばかりじゃないですか。

都内以外のトコ行って、ライブできるんだったらやるけど。俺の中で以前から変わってないのは、そりゃもう良いいライブをやりたいってこと。良いライブっていうのは、できるだけシチュエーションが良いところで良いライブをやりたいってこと。それでどこでも行きたい。

では、できれば月一回とかじゃなくて、もっと?

いや、もっとやりたいよ。もっとやりたいけどねえ、 ライブやってりゃ良いっていうわけでもない気がするんだよね。「恒例になりました」では、つまんない。

今マグナムはどうなんですか?

そりゃやばい。

いや、具体的にはあれですけど、だからJimmyさんの頭の中で。

え、何?マグナムについて?

当たり障り無い内容で語ってもらえれば。最近のベルスパのライブを見てて思ったんですけど、なんかでマグナムのリフを弾いたりとか、こないだエイジアPでNo Standing Stillやったりとか・・・。

俺の今までやってきた中で、デビューのDANGER(マグナムの1stアルバム)から始まってWash & Burnまでの間で、何をやろうと俺がやったことだから、それはその雰囲気でやってる。それしか意味は無い。他に何も無いよ。で、それを見てる側は喜んで ると。だったら楽しいよね。でも、なんでもかんでも「見てる側が楽しめるからヤル」っていうことでもない。まあその時のノリっていうか、その瞬時でやっちゃうというのがあってもね。こないだNo Standing Stillをやった。アンコールで一曲やるから、まあシャレになるっていうか。面白いジョークになる・・・ジョークだよね、あれは。ただオチャラケやパロディーではなくマジでやる。ジョークにしても。それよりか、あっそうだ。Ken-ichiのインタビューで、最近俺のスタイル、フォークギターっていうか早弾きだとか、そういう風になったっていう話があったじゃん。で、やっぱり遊び心でやってるっていう、たしかそういうインタビューだったよね?Ken-ichiの見解としては。

えっと・・・面白い部分ですか?

そう、面白い部分で、俺がやってると。ところが俺そうじゃないのね。まあKen-ichiとは普段からこういう話はしないから、お互いを想像で理解するんだけど、俺はあれはかなりマジでやってる。面白い部分としてやることっていうのは俺にはないのよ(笑)分かる?さっきのジョークの話もそうだけど、ジョークでNo Standing Stillやるにしても、面白いから遊び心でやるとかっていう余裕なんかないの(笑)とことん真剣だから。あれでも。

なるほど(笑)音楽に関してはジョークでもマジ真剣なんですね。 じゃ、佳境にいっちゃっていいですか?さっきその、ファンについてっていうのを語ってもらったんですけど、ファンに対しての何かメッセージを。

ファンに対して、夢を壊したくないよね。なるだけ。(笑)そういうものっていうのはさ、憧れだったりとかさ・・・俺の経験から言うと、昔いろんな海外の憧れのミュージシャンと取材もあったし、公じゃなくって紹介してもらったりとかもね。日本でアメリカ、イギリスで。まあいろいろ会ったけど、生き方を左右する夢の対面もあり、実際会ってみりゃあ単なるアホだったりと か、やっぱり中には幻滅もあるわけで。なんていうのかなぁ・・・例えば、俺が思ってる俺があって、第三者が思ってる俺っていうのはやっぱり違うわけでさ、 共通点もあるか分かんないけど。でもやっぱり、俺も夢を持ちたいっていうのはずっとあるわけだし、その俺自身が皆んなの夢は壊したくないなと。そういうのはあるからさ。やっぱり、なんでもかんでもって、俺は露出狂じゃないし。自分のやっていることを人に知って欲しいなとか「いや、もうチョットほっと いてくれ」っていうのもあれば「ほっといてくれるな」っていうときもあるしね。まあワガママなもんだから、そこは兼ね合いでしょ。夢っていうか、スリリングでなきゃあつまんないし、なんでもOKじゃないな、っていうか。そういうのはあるよね。・・・わかんないね、これじゃ(笑)

具体的にこう、ファンにひと言のメッセージというと?

ファンに対しては、Stay Togetherだなあ。Stay Together。そいうのもあったりするけど、ちょっと情けないよね。

あのStay Togetherって今度のアルバムの曲タイトルですけど、あれはタイトルもJimmyさんが考えたんですか?

うん。

そういうイメージで?

ファンだけじゃなく、あらゆる自分の重きを置く大事な人っていうか、いろんな人に対して。要するに俺は多分ね、愛されてると思うわけ。いろんな人に。もちろんファンにもある程度そうだろうし、「自分は割りとラッキーなんだな」とも思うわけ。でもStay Togetherはまた違うんだけどな・・・。そうね、俺なんかこの取材で言いたかったことがあったんだけどなあ。何だったかなあ・・・。

じゃ、そろそろシメに入るとして。最近感動したこととか何かあります? 最近感動したこと・・・。 最近観た映画とか、本とかっていうのは?

最近観た映画っていうかドラマだけど、「24」はもう、なんか義務のように観ちゃうよね。

え!どこまで観たんですか?

シーズン5。あと2話観るたら終わり。疲れるわあれ。

あぁ疲れますよ。

あと「エイリアス」とか・・・。あっ、そうだ。今年は「あしたのジョー」再確認。あれはやっぱり最高だよ。俺分かったね。これ取材になんないか分かんないけど、「あしたのジョー」と「ムーミン」は子供のときから好きだったけど、えーと、俺の小学生時代ってのは「あしたのジョーPART1」だったのね。一回目をテレビで観た時ってのは三島が自決した時、浅間山荘事件があったりとかさ、たしかあの頃だと思う。で、子供の観るアニメとして普通に観てて、20代の時にPART2観たのかなぁ・・・めちゃ感動したわけ。で、今回ね、再びテレビで観たんだけど、たまたまケーブルテレビでやってて「あーいーなー」と思ってちゃんとビデオで観たんだけどさ、また違うことが解明したわけ。どんどん違うことが分かってくるわけ。意味合いとして。例えばさ、下町のノリコと財閥の一人娘のお嬢ヨーコがいるわけ。昔はやっぱりさ、同じ女の子でいうと、守ってやりたいタイプっていうか、可憐なノリちゃんのほうが好みだった。幸せにしてやりたいタイプていうか。それに比べてお嬢のヨーコの方は生意気でやたら鼻につくから、うっとうしいなーこの女、って思ってたんだよね。人妻になっちゃってからも絶対ノリちゃんのほうがイイって思ってたわけ。20代ま では。で、今観ると違うんだよ。知性がある分、ヨーコはおっさんなんだよ、アレ。

おっさんなんですか?

うーん。女を超えたスケールがあるね。だからジョーに対する愛情も、一女性を超えた部分があり、友情もあるわけよ。異性の友情、愛情、そこの発見もあったし。やっぱりダンペイとヨーコが素晴らしいキャスティングなわけよ。

PART2の最後でジョーは真っ白くなっちゃうんですよね?

あぁ、あの台詞が最高だよね、ノリちゃんと二人っきりの時の会話ね。「真っ白な灰になって燃え尽きたい」ってヤツね。ノリちゃん女だから解らないんだな・・・。あれは素晴らしいわ。あれはもう理想だ。現実はあんなふうに行かないけど、モチロン(笑)。きれいな人生だ。

でも、あれを全部観るってかなり体力要りませんでした?

いやーPART1を観るより全然短いじゃん、あれはだらだら 長いよね。なんか30代になってからそうなんだけど、女の人の価値観って、昔はもう異性との友情はぜったいに成り立たない、あり得ない幻想だと思ってて、 女ソノモノとしてしかみてなかったけど、今はやっぱりある種の友情が可能なんだなあていうか、恋愛プラス友情があると素晴らしいじゃん、と思えてき た。・・・本質がすげえオンナオンナしてる女っていうのは、もの足りないっていうか好みじゃなくなっちゃった。

・・・これ書いちゃっていいんですか?

微妙だなあ。

(笑)・・・感動しちゃうんですよね。

いやあんなに潔い綺麗な人生無いよね。人生の本質をおしえてくれるのは、じつは実生活ではなく映画や小説とかです。

で、あれですよね。エイジアPの(笑)。

エイジアP?

エイジアPのライブの時、ステージに上がるなりいきなり人差し指を天高く上げたじゃないですか(笑)

あ、あれね。あれはジョーがやる「1ラウンドKOの予告」。 俺の場合は「1時間やります」ってこと。矢吹ジョーはワンラウンドKO、俺は「1時間やるから」って。

それを分かった人誰もいないと思いますよ(笑)

わかるわけないよね。

前振りが無いと。

テンション的に一曲目から「カカッテた」からねぇー俺、あの時。

「カカッテた」、というと?

競馬用語でいう馬の絶頂テンション。 あとさー。BackyとかRogerの話してないけどイイの?

お願いします。

・・・でも無いもんなあ(笑)

なんかないっすか?例えばRogerさんにしてみたら、もうすごい古い仲間じゃないですか。昔っからの。

だってRogerは、今付き合いあるミュージシャンという人 間の中では一番古いからね。Paulが二番目に古い。でもなんかそんなのあんまり普段思わないんだよね。時々フッと思うとき以外は。なんか、割と RogerもPaulも空気みたいな感じなんだよね。実家にいるオカンみたいな・・・。あっ、ちなみにBackyは俺が思うに、バンド4人ナカで実はいちばんのナルシスト(笑)

JimmyさんとRogerさんの話とか会話聞いてるとすごくなんか・・・(笑)

すごい何?くだらん?

いやいや(笑)良いタイミングでRogerさんと会話してるなーと思って。ツッコミにしてもボケにしても。すごく絶妙のタイミングで(笑)

だから空気だもん。澄みきったつつみこむような大気。・・・ あと最近の感動といえば、テニスだけど、ウィンブルドンでのマリア・シャラポアだな。サーヴィスのときの声と表情なんかまるでオカルト映画の女優 みたいだ。素晴らしい。

あ、終わっちゃった・・・MD終わりました。 はい。あと一台あります。

終ろう(笑)


オマケ