■ Days 02.10.30〜02.12.11


10月6日

 今日で齢42才、本厄。10 代終りの頃、社会に対するわけのわからない反抗だったのか、甘い自尊心からだったのか、30過ぎてまで生きるべきではないと考え、20 代、ただひたすら人生のわかりやすい快楽だけを追及し、以後堕落。 生き続けることへの羞恥も今や何処吹く風、人生半分以上過ぎた現在、長年の不摂生と特異気質により、ボケる日もそう遠くない、いや、とっくにボケている自分に気づいてないだけかもしれない、と考える。

 「THIS TIME」のPV手掛けたビデオ制作会社、command Eから先週、スペースシャワーTV番組のタイトルバック書き下ろし、及びその映像におけるディレクション少々を依頼され、約1分間のインストゥルメンタル2曲、一昨日より自宅にて1曲目をレコーディング。ドラムの打ち込み、ベースとバッキングギター、明けて今日ギターオーバーダブ。
 PV「THIS TIME」、もともとは「IGNITION」のジャケットをアートディレクションした、元RAJASギタリスト、現デザイナー、山本好一と二人でモチーフ考え、その後、自らキャスティングし、絵コンテを描き、初夏の代官山周辺を家庭用ビデオカメラ持参でロケハンまでした。
 当初PVは「FAR PLANET」も含めた2曲を撮る予定で、「THIS TIME」ではメンバーは登場せず歌詩のストーリー性の象徴化に徹しようとし、「FAR PLANET」の方は派手な演奏シーンをメインにするつもりだったが、後日、各メンバー、どうしてもスケジュールが合わなくなり、「FAR PLANET」は中止、「THIS TIME」1 曲となる。それでも当日、今までの撮られる側からのみだった撮影現場を、撮る側のスタッフの立場で愉しめ、何よりも、44とStevieというかかわりを今回実現できて嬉しかった。
 2:00am、ツアー中の大分にいる一郎より電話。3:00am、近所へ犬と散歩、6:00am就寝、1:00pm起床。Ban より電話、Paul よりメール、その他、知人数人より電話やメールで祝辞いただく。夜、青山へ。翌朝9:00am就寝。


 Stevie。若い頃の親父とは、野性味で劣るようだが、そのままの清純さと演技力で期待にこたえてくれた。繊細な17才。パパと同じヴォーカリスト。



10月7日

 2:00pm背徳的行為に耽るたのしい夢の途中で起床。割れたガラスの破片あつめる如く登場人物、ストーリー思い出そうとするが無理、すでに忘却。
 夕刻より昨日の続き、1曲目のEdit、夜となって晩酌の後、次曲にとりかかる。2曲目はたいして何も考えていなかったが、偶然のようにアイディア見つかり、明朝全パート録り終えた。あとは、Edit少しとノイズの処理、Mix、タイムリミットあと2日。1 日中一歩も外に出ることなく、9:00am就寝。また朝寝。




10月 8日

 雨。2:00pm、ギターテックBooの来宅により起床。今日は家にあるギターを定期的にメンテしてもらう日。同じく大阪出身、Booと一緒に仕事をしてもう8年になる。初めて会った時まだウブな19、ハタチだったが、勘が良くバイタリティあり、それ以来アイショーが良かったのか、ライヴ、スタジオ、打ち上げと、ほとんどの現場を一緒に過ごし、今では年上に感じてしまうほどオヤジな面を持つオトナになった。
 Boo がギターをいじっている間、2曲のデータ、Edit。昼と夜、逆な日が続いたせいか、モニター画面の見過ぎか、疲れた。4:30am昏睡。

Boo / 本名 : 奥村ヒロノブ



10月9日

 8:00am起床。曇り。2曲のTD。11:30am出社途中の大石来宅、TD の仕上げやる。
 大石は44MAGNUMアマチュア時代、マネジャー兼、ローディー兼、エンジニア。44デビュー後、マネージャー兼、エンジニア兼、エグゼクティブ・プロデューサー。マネージャーとしてメンバーに必要とあらば世間のジョーシキも説き、女にも勝る超現実主義な主観、そのシセイ、まるでお母んのよう。また、エンジニアというか技術者の面では、兼業であるゆえ、音楽のみに没頭できないものの、レコーディングでは気に入らぬエンジニアならば蹴落として、自らコンソールに座り、また、リハーサル中、電気回路のトラブルあらば、複数のテックより原因解明ジンソク。昔44MAGNUMのギターとベースのエフェクターシステムはすべて自ら作ったほど。いいちこが"下町のナポレオン"だったら、さながら"下町のアインシュタイン"といったところか。その他、プロダクション経営、宴のスピーチ、飲んでは暴れ、と、その能力、習性多技にあふれる。
 作業後、自分ちの風呂の改装をするから参考に見せてくれ、と云って、風呂場をチェックし、あわただしく事務所へ。そういえば最初玄関で見たとき、何か片手に書類らしきものを持っていたと思ったら、風呂のパンフだったのだ。
 1:00pm、マーヴェリック・ディー・シー小川26才来宅。Mixした2 曲のCDRをcommand Eへ持っていってもらう。

 気分転換にと思い、家を出、地下鉄に乗り、日比谷で乗り換え、神田神保町へ。4:00pm頃着。睡眠不足により、視界が薄い膜に覆われているようにみえ、すべてに実感がない。
 安部公房、澁澤龍彦の評論、いまや絶版、文庫でも読めない当時の各オリジナル・ハードカバー購入、時代に逆行。

 帰り少し混んだ地下鉄の中、盲導犬連れた若い女。ラブかゴールデンかわからないが、盲導犬、座席に座る彼女の足下に伏せ、その姿表情、献身的かついじらしい。日比谷に停車したとき、彼女降りる動作し、犬立ち上がる。間に合うかどうか心配だったが、扉閉まる寸前で下車。その後ろで車両ふたたび動きだし、嵐のような突風の舞う中、携帯電話で話す彼女、しだいに手放しの明るい笑顔。犬、オスワリの体[テイ]で飼い主仰ぎ見、しっぽフリフリ。抜けるようなすがすがしい光景。
 7:30pm帰宅。飲みに誘われ1時間後ふたたび外出。眠い、ヤルキなし。

大石 / 別名 : Jack



10月11日

 1:00pm起床、知人と会う約束の日。彼曰く、紹介したい人がいるから昼間あけておいてくれ、とのことだったが、夕方に変更してほしいという連絡がきて、あげく夜となり、その間家の雑用及び読書、ついに約束無視し、9:00pmジムへ行って泳ぐ。1kmほど泳いで、身体が非常に軽くなりソーカイ。帰宅して晩酌しながらテレビのニュース見る、タマちゃんいたとかいないとか・・・。それよりも地球温暖化により、アザラジの生態系まで狂い始めているのが問題。タマちゃん二子玉にいた頃、ちょうど渋谷タワーレコードでPaulとトークライヴ、当時タマちゃんの観客動員数にやや嫉妬。あいかわらずのイスラエル、パレスチナ問題、特にアメリカのイラク攻撃が気になる。日本の株価下落コーゾーカイカクどころではない、世界の在り方が変わる。
 酔いもさめた深夜、ふたたび読書にあそぶ。4:30am就寝。


 JESUS LOVES YOU・・・。誰が書いたのか。この向こう側に、ツイン・タワーがあった。
 人から人への究極の慰めには、神が介在する。無神論者である自分にとっても、神の種類がどうであれ、これ以上自然な言葉はない。




10月12日

 11:00am起床、晴天。昼間、基本と心がけるべき日課、曲作りの作業。途中息抜きに近くの公園へ犬と散歩。
 夕方、進行中の今年4曲目になる楽曲のFile、あやまってサクジョ。以後やる気なし。深夜まで無為に過ごし、夜明けとともに就寝。





10月13 日

 12:00pm起床。晴天。近所のレンタルビデオ店に行って、20 世紀終り頃、season5まで観終った「X File」のseason6全巻レンタル。TVドラマとして断然クオリティが高い。
 音楽のジャンルでもいえることだが、アメリカのワールドワイドなアーティストの作品や展開とハリウッド映画に共通するのは、多大な資本の投資、綿密かつ堅実なプロジェクトによるアメリカのプロフェッショナルリズムだ。これに対し、ヌーヴェルバーグに代表されるようなフランス映画は、究極のアマチュアリズムであり、観念的要素が強く、発想の斬新なものが多い。価値観が合う作品に出会うと一種の恍惚感さえ湧く。アントニオーニ、フェリーニ、ヴィスコンティ、ベルトルッチ、ルネ・クレマン、ルイ・マル、トリュフォー、ゴダール、キューブリック、ポランスキー、ルコント、好きな映画はヨーロッパ映画中心だった。ところが、この10 年あまりの間に、アメリカ映画は変わってきた。壮大なエンターテイメントの中にも作者の個人的思想、心理色の強い作品が、興業成績の良いものとして多くなった。それはヨーロッパの映画人がハリウッドヘ移りだしたからかもしれないが、とにかくハリウッドは才能の宝庫となってきているのか。
 リンチ、クローネンバーグ、フィンチャー、何故か皆デビットの、新作でれば必ず観る。ビデオの新作やロードショーを観るのは全部といっていいほどハリウッド映画になった。

 X Fileをひたすら観ているうち、娯楽感覚から義務感覚へとしだいに麻痺してきた。それにしてもスカリーを演じる女優は可愛い。以前は、肉体的バランスのとれた女が好きだった。荻野目ちゃんに書いた「STEAL YOUR LOVE」のTVタイアップにシャロン・ストーンが登場してるのを見た時ときめいたが、今は完璧さよりも、どこか欠如している女がイイ。それが幻想であるのも、いまだに女をわかっていないのも、充分自覚しているが、スカリー(ジリアン・アンダーソン)は、内面が豊かそうで魅力的だ。
 個性への尊厳というのか、女だけでなく、あらゆる事物のバランスに対して、そういう嗜好になってきた。
 6:00am就寝。



10月14日

 12:00pm起床、今日も晴れ。3:00pm事務所からマーヴェリック門真と小川、車で向かえに来る。途中Paulと合流、ラジオ収録の為、FM埼玉へ。
 5:00pm、番組の打ち合わせ、パーソナリティ10才年下関西出身、3人話も弾み、関西弁まくし立てる勢い、品の良い打ち合わせ。
 5:30pm本番、Paulはビール片手にエンジンいよいよ全開、ジミー、コーヒー少々、40分ほどのトーク。話は女に喰わせてもらうのがあたり前だと思い込んでいた(Paul の方は今でもそう思ってるかもしれない)バンド結成当時から、デビュー後のライヴの失敗談(飲みすぎて後半記憶がなかったり、広島で「会いたかったぜ、名古屋!」と言ってしまったり)、再結成にいたるまでの説明及び近況まで、小気味なパーソナティ問いただす中、乗りに乗ってるPaul、「ライヴのMC?『気に入らん奴は、帰れー!』ゆーてます、ハッハー!」と高ビシャな寿司屋のオヤジ風。そんなPaul にジミーやや気おくれ気味場面多数、始終関西弁が吹きあれ、ここは大阪のラジオ局かと一瞬サッカクしつつ、終了。



10月15日

 12:00pm起床、晴れ。12日失ったTrack、再現する努力をする気にはまだなれず、もっぱら別File の編集。
 ニュース、北朝鮮に拉致された5人、一時帰国の報道。それにしても北朝鮮のセレモニーとか、韓国へ派遣された女ばかりのサポーター集団を観ていると金正日のハーレムな性生活を想像してしまうのは自分だけだろうか。

 深夜、雷雨。




10月16日

 12:00pm起床。晴れ。3:00pmジムへ泳ぎに行く。9:00pm、スペースシャワーTV 、スペシャル番組オープニングの撮影収録のため、車で恵比寿へ向かい、マーヴェリック小川と合流、command Eへ。
 先週書き下ろした2曲のうち1曲を、モニター室となりの広いテラスにて、撮影スタッフ数人に囲まれ、秋刀魚10匹一度に焼くかのごとく、スモークたかれる中、普段着でアテブリ。ギターとフィンガーリングのアップ。
 約1 時間後、撮ったTakeのチェック。
 ブリッジからヘッドへの、スピーディーで機械的なカメラのPan。ストリングスとフレットのスクエアな関係が、きらびやかな小宇宙を醸しだし、ギターが実用価値の低いデザイン重視のオブジェ、または楽器というより近未来の家庭機具のよう。今世紀のバウハウスがあったとしたら、そのCMを見るようで、おもしろい。短時間で撮影終了。結局、自作自演のプローモーション・ビデオを作ってもらったような結果。提供した楽曲も大変気に入ってくれていて、映像の出来ばえに対して伝説的な撮影の速さだと、チームcommand Eスタッフ皆笑顔。こちらも嬉しい。
 とんとん拍子に事がはこんだ現場主義の愉しいロケ。これならまたやりたい、と思いつつ上機嫌で別れを告げ、小川とふたりcommand Eを後にする。
 そういえば、番組のあるスカイ パーフェクTV 732ch VMCは、ウチの東急ケーブルでは見れないのだ、と帰宅途中で気づく。



10月18日

 11:00am起床。曇り。公開日記用メモの整理。あらゆる行為は、技術の差こそあれ、センスは同じだと思い、今月6日から書いてみたが、文章での表現はやはり難しい。自分で書いたワケのわからないメモの編集に四苦八苦しているうち、瞬く間に夜となる。気づくと、起きてからシャワーも浴びていなければ、まだ何も食べていない。
 8:00pm軽食。9:30pmジムへ行って泳ぎ、大浴場にて湯治。11:00pm帰宅し、晩酌。深夜、犬の散歩の後ふたたびメモの編集。誤字も多いがボキャブラリーにも欠けている。こんなの誰がよろこぶのか、と不安になりつつ朝を迎え、6:00am熟睡。




10月21日

 8:30am就寝、2:00pm起床。雨。
 3:30pm車でマーヴェリックへ。来月upするオフィシャルHPリニューアルの打ち合わせ。この夏、リリースにあわせたライヴが出来なかったぶん、11月からは、オフィシャルHP、さらに充実させてやるぞと意気込み、ちょっとは身をけずる思いで記した、いつまで続くかわからぬオチョナの日記。
 タイトル「Days in the File」はゆうべ考えた。今回、荷風散人の「断腸亭日乗」を思い浮かべて書こうとしたが、書き始めると、もちろんそうはゆかない。パロディ化するにも失礼極まりない。散人の方がはるかにRockしてらっしゃる。
 結局、つたない内容に合わせようと、ブナンといえばブナン、いかにも和製ロック・ミュージシャンの思いつきそうなタイトルと相成り候。
この日、深夜の風、甚冷なり。5:00am、寝に就く。




10月22日

 12:00pm起床。快晴。
 昼間、新しいメインページ、インデックス制作中の小川と内容確認、メールでやりとり。
 7:00pm、東銀座にある好一の事務所にて、ESPのポスター用写真選び。9:30pm、銀座へ赴き、好一と飲む。

Photo by Cigarippa



10月23日

 12:00pm起床。やや二日酔い。
 昨日に引き続き、小川とメールでコンテンツ確認。大石と電話で事務処理。気がつけば外はすでに薄暗い。
 5:00pm、日用雑貨を買いに近所へ出掛ける。途中、古本屋を2軒ハシゴ。1軒目は最近出来た洋書屋のような小綺麗な店。自宅から歩いて2分なので、時々のぞく。和洋文学、アート、写真集、映画、音楽、洋書と、取り扱いの趣味もいい。オープン当初、'65年度版のバロウズ「裸のランチ」と野坂昭如の小説2冊を買った。2軒目はフロアの広い何でもありの店で、コミックと文庫が多く、雑誌からゲームソフトまである。この店で、大好きなアラン・モルダー特集のサンレコ発見。アラン・モルダーはエンジニアでありプロデューサー。ナイン・インチやスマパンも、モルダーかかわるものとそうでないものでは格段に差がある。その他、岩波、芥川龍之介全集第12巻。プロット、その他アイディアのメモ、遺稿を中心に収録された、芥川の"創作の秘密"がうかがえる内容。計2冊レジへ持っていく。
 駅前の100円ショップで乾電池を買おうとしていたところ、「じみーさん!」と呼ぶ声にビビる。(「じーさーん!」にも聞こえた。)振り向けば、真夜中にしか会うことのないアラちゃん。格闘技選手並みの体格を持つ、さわやかな好青年。この近所に新しく居酒屋Barをオープンしたという。場所を聞くと××銀行裏手のビルの2階で、看板は出ていないらしい。
 「ジミーさん、今度寄ってくださいよー。」
 「もちろん行く、行く、絶対。」
 「今のところ、まだ1日に2~3人しかお客さん来ないんですよー。」
 「そりゃ、看板出してないからじゃないの?」
 アラちゃんは以前、東横線某駅近くにてホルモン焼き屋をやっていて、2年前まで、その周辺で飲む機会がよくあり、2軒目、3軒目によく立ち寄った。わりと人気のある店で、ミュージシャンも多かったらしく、まだ会ったことはないが、「ドラゴンアッシュのベースの人が、ジミーさんのファンだってことを伝えてくれっていってました。」とかいう嬉しいこともあった。カウンターだけのこきたない店だったが、かなり美味だった。去年、ちょうど狂牛病問題ピークの頃、たまたま店の前を通りがかったことがあったが、外から見える店内はさすがに深閑としていて、客はひとりもいなかった。大変だな、と思いつつ店先の貼紙に目をやると、「当店では、すべて国産牛を使用しておりますので、安心してお召し上がりいただけます!」と書いてある。だから、国産牛が問題なんだよ!・・・よっぽど教えてやろうかと思ったが、やめにした。
 帰宅して、犬と散歩。3:00am就寝。




10月25日

 晴れ。11:00am起床。
 6:00pm、マーヴェリックへ寄ってから、フリーライター兼、プロダクション経営ノッチー(32才)と恵比寿で合流、タクシーに乗り、LOUDNESSのライヴを観に渋谷公会堂へ。
 LOUDNESSを観るのは10年以上振り。最後に観たのもオリジナルメンバー。受付を済ませ2階の会場扉をぬけると、すでに「We are Loudness」の最中だった。昔と変わらない強力なパフォーマンス。少なくとも2階のオーディエンスは30代以上の男が多く、スーツ姿でコブシを振り上げる奴、ハチマキして応援団のように振る舞う奴、20 代のメタル小僧がそのまま大人になった長髪のアソビ人風な奴、さまざま。ここぞとばかり、あの頃の自分自身の真っ只中を噛みしめている彼らの後ろ姿を見ていると、長年のつきあいであるかのような親しみが湧いてくる。
 タイトルはいまだに知らないが「遠く離れていても、つくり笑いが上手さー」というバラードを聴いているうち、昔の女を想いだす。そういえば前にも、ラウドのコンサートでこの曲を聴き、同じ感慨に耽った。'80年代前半、ジョン・サイクスのシンリジィの頃、解散ライヴだというから、新宿厚生年金会館へ観に行って、アンコールで涙し、4年前のエアロスミスの東京ドームでは「Dream On」で、マグナム以前一緒にバンドを組んでいたスティーブン・タイラーフリークだったヴォーカリストの当時の死を想いだしてやはり涙し、とライヴ途中で感傷的になる傾向がある。(ちなみにシンリジーはその後ロンドンに帰ってすぐ、もう一度同じライヴをやりやがった。)
 熱狂しているオーディエンスを見ているうち、人生は記憶の連鎖であり、過去を振りきって前へと行くことだけがRockじゃないとか、わけのわからない考えがよぎる。
 終演後、「握手してくれ」とか、「ホンモノか」とか「抱きしめたい」とか30代のファンの男達に取り囲まれて、かわいがられたのち、大野ヨシユキ氏筆頭にライター達と歓談。TSUTAYAの社長紹介され、大映(若尾文子)の映画もっと増やして欲しい、とリクエスト。ロビーにて打ち上げ。3年振りに会うマークン、樋グッツァン、5年振りのニィちゃん、10年前クラブ・アディクト以来会うタッカン。法事で親戚と会うかのような懐かしさ。打ち上げ終了後、楽屋でマークンとつもるオモロイ話。ジョージ吾妻さんとも久々に会う。ノッチーと一緒にニィちゃんの車に乗せてもらい2次会へ。ああ、MAGNUMでライヴやりたい。




■ Days 02.10.30〜02.12.11